三条西実隆
室町後期の公家。
内大臣公保(きみやす)の次男で、仕えて正二位(しょうにい)内大臣に至る。
文化人として名高く、社会政情を書き綴った「実隆公記」は貴重資料として有名。
- 生年
1455年
- 没年
1537年
致仕偶成
三十年來朝市塵。片舟歸去五湖春。平生慚愧無功業。合對白鷗終此身。
三十年来(ねんらい)朝市(ちょうし)の塵(ちり)、片舟(へんしゅう)帰(かへ)り去(さ)る五湖(ごこ)の春(はる)。平生(へいぜい)慚愧(ざんき)す功業(こうぎょう)無きを、合(まさ)に白鷗(はくおう)に対(たい)して此(こ)の身(み)を終(お)へん。
三十年もの長きにわたって世俗の塵にまみれてしまった、そろそろ范蠡(はんれい)のように湖に小舟でも浮かべて帰り去ろう。彼の如き功業を果たせずにいるのは常々恥じるところではあるが、去り際ぐらいは同じくありたいのだ。