細川頼之
南北朝時代の武将。
南北朝統一に功あるも、義満より疎まれて領国讃岐に帰還。
元中(げんちゅう)八年、召し還されるも明年六十四歳を以て没す。
- 生年
1329年
- 没年
1392年
海南行
人生五十愧無功。花木春過夏已中。滿室蒼蠅掃難去。起尋禪榻臥清風。
人生(じんせい)五十(ごじゅう)功(こう)無きを愧(は)づ、花木(かぼく)春(はる)過(す)ぎて夏(なつ)已(すで)に中(なかば)なり。満室(まんしつ)の蒼蠅(そうよう)掃(はら)へども去(さ)り難(がた)し、起(た)ちて禅榻(ぜんとう)を尋(たづ)ね清風(せいふう)に臥(が)せん。
年五十となって何の功もないのは恥ずかしいが、もう花咲く春も過ぎて夏真っ盛りとなってしまった。部屋の青バエがうるさく飛んで少しも已む気配がないから、さっさと禅室を尋ねて清らかな風に吹かれにいこう。