菊池三溪
明治初期の漢学者。
名は純、字は子顕(しけん)、三溪(さんけい)は号。
維新後に京都に移り住み、詩文を善くした。
明治二十四年、七十三歳で没す。
- 生年
1819年
- 没年
1891年
- 生誕
和歌山県
残月杜鵑
人は言ふ声(こえ)月(つき)在りと、吾(われ)は疑(うたが)ふ月(つき)声(こえ)在りと。月(つき)落ちて声(こえ)還(ま)た断(た)え、一川(いっせん)卯花(ぼうか)明(あきら)かなり。
人は杜鵑(ほととぎす)の声が月の辺りですると言うが、私は月が啼(な)いたのかと思った。月が没して声もまた消え、川辺の卯(う)の花が美しく映えるばかりである。
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