第七条
原文


七曰。
人各有㆓任掌㆒。宜㆑不㆑濫。
其賢哲任㆑官。頌音則起。姧者有㆑官。禍亂則繁。
世少㆓生知㆒。尅念作㆑聖。
事無㆓大少㆒。得㆑人必治。時無㆓急緩㆒。遇㆑賢自寛。
因㆑此國家永久。社稷勿㆑危。
故古聖王。為㆑官以求㆑人。為㆑人不㆑求㆑官。
書き下し文

七に曰く、
人、各(おのおの)任掌(にんしょう)有り、宜しく濫(みだ)れざるべし。
其れ賢哲(けんてつ)、官に任ずれば、頌音(しょうおん)則ち起こり、姦者、官に有らば、禍乱(からん)則ち繁(しげ)し。
世に生知(せいち)は少(まれ)なり、尅(よ)く念(おも)へば聖と作(な)る。
事に大少なく、人を得れば必ず治まり、時に急緩なく、賢に遇へば自ずから寛(ゆたか)なり。
此に因りて国家永久、社稷(しゃしょく)危うきこと勿(な)し。
故に古の聖王、官の為に以て人を求め、人の為に官を求めず。