- 注解
- *1僅は少也と註す「ちっとばかり」と譯す。歐文に「學僅僅知㆓章句㆒」とあり、又、ちかしと訓み、近と通ず。晉書に「戰所㆓殺害㆒、僅㆓十萬人㆒」とあり。
- *2纔は纔始と連用す、染色の一入ヒトシホをいふ、幾入も染る、其の初めに、ちょつと藍に入れたる義なり「入㆑春纔七日、離㆑家已三年」は春に入りて日なほ淺く、やっと七日になりしとなり。
- *3劣は弱也、少也と註す、助辭として「僅僅不㆑足之辭」と註す、優の反にて、常なみの所に及ばぬをいふ。
- *4才・財・裁の三字、音義共に纔に通ず。近思錄「自㆓孟子㆒而後、能將㆓許大見識㆒尋求者、才見㆓此人㆒」
- *5才・財・裁の三字、音義共に纔に通ず。衍義補「上達者財十二耳」
- *6才・財・裁の三字、音義共に纔に通ず。後漢紀「妻子衣食裁足而已」
- *7才は榜示用の木の形で神聖の場所、これに聖器である士を加えて占有の意を示すのが在、才の榜示によって守られるその地の生活者が存、才を呪飾として戈に加えて祓い清めるのが𢦏、さらに
(さい)を加えて神事を哉(はじ)め、衣を加えて神衣を裁(た)ち、木を加えて神木を栽(う)える。
- 備考
- #1哉に通じ、ことのはじめ。
- #2~に才(あ)り。所在、場所、身分、職事に在ることをいう。
- #3艸木の初めなり、丨の上に一を貫くに従ふ、將に枝葉を生ぜんとす、一は地なり、凡そ才の屬は皆な才に従ふ。(説文解字)
- #4標木として樹(た)てた榜示用の木の形。古い字形では、上部の一の部分が
(さい)、すなわち祝詞などを収める器の形にしるされており、神聖の場所であることを表示する。(字通)
- #5才の原字は、川をせきとめるせきを描いた象形文字。その全形は、形を変えて災などの上部に含まれる。そのせきだけを示したのが才の字である(漢字源)
- #6字源
- #7字通